『自作PCの性能向上に並々ならぬ情熱を、真剣に向ける若者たちの葛藤を描いたマンガ』というと、とても難しそうで手に取るのもちょっと･･･と思ってしまいそうです。もっと分かりやすく言うと、押しの弱そうな草食系男子の音大生が、寒空の雪の中で裸足で軒先に立つ美女に惹かれ、なぜか足を突っ込んだのが、自分のPCをどれだけ早く出来るかを競う『オーバークロック』という世界。六畳一間のアパートに住む、キャットフードを食すのも厭わない超貧乏な世界一のクロッカーに対抗し、彼女を窮地から救い出すべくPCに情熱を傾けていく様を描いたストーリー。

二ノ宮先生のマンガ、好きでよく読みますが、相変わらず突拍子もないところから突拍子もないものが出てくるカンジが好き！例えば、しょっぱなから音大生が異分野のオーバークロックを始めるきっかけも「そうくるのか！」と思わせる奇想天外な展開がなんともいえません。オーバークロックですが、耳にしたことがない人も多いコアなテーマ。でも読み進めていくと不思議と専門知識の壁が低く感じられ、PCの機械的な話であるにも関わらず、まったくもって難しく伝わってこないので、きっとPCが苦手な方でも楽しんで読めると思います。これからの展開に期待しています！

二ノ宮和子先生の奇想天外ワールドは他の作品でも全開なんです！『87CLOCKERS』を楽しんだ後は、『のだめカンタービレ』や、『天才ファミリーカンパニー』も併せてどうぞ！！